2012-04-01

『吉田鴻司全句集』抜粋100句 前口上 平山雄一

前口上
『吉田鴻司全句集』紹介

平山雄一


昨秋の故・吉田鴻司師の7回忌に合わせて、ご家族の協力を得て、結社“鴻”出版局より『吉田鴻司全句集』を上梓することができた。『神楽舞』(昭和52年)、『山彦』(昭和58年)、『頃日』(平成5年 第34回俳人協会賞受賞)、『平生』(平成16年)の4句集、『自註・吉田鴻司集』(昭和60年)、それに『平生』以後の句を合わせた1796句を収録している。

角川源義の元、俳句のキャリアをスタートさせた師は、平明な言葉で抒情を詠ううちに、ユーモアとペーソスにあふれる句境に進んだ。世界の様々な事象に旺盛な好奇心を抱き、古典はもちろん、TVCMや映画など話題も豊富で、若々しくて柔軟な感覚を持ち続けた方だった。同時に驚くほどフランクな人柄でもあったから、僕にとっては師であると同時に、最年長の友人でもあった。あるとき、「浮鷗水に頬寄せレノンの忌」の句を、「これ、どう?」と僕に見せてくれた。音楽評論家をしている僕は、ジョン・レノンの故郷・港町リバプールの景色をありありと思い出して「いいですね」と叫び、大笑いしながらお湯割りで乾杯したものだった。

ちなみに表紙は“鴻”誌のアートディレクター後藤兼志氏の手になる、お酒とカラオケが大好きだった師のイラストで、判型は持ち運びに便利な文庫本サイズになっている。

『吉田鴻司全句集』は、常に句作に変化を求めた師のスタイルを活かすために、『平生』から始まり、時代を遡っていくように構成されている。この100句(≫こちら)もその順で抜粋してみた。ぜひ、楽しんでください。


問い合わせ先 鴻出版局 谷口摩耶 mayapilki@hotmail.com

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