2012-05-06

俳句集団【itak】前夜 五十嵐秀彦

俳句集団【itak】前夜

五十嵐秀彦


ひょっとしたら、これは禁煙のせいなのかもしれない。
今年の一月に、長年の習慣だった喫煙に何度目かの「さよなら」をした。今度こそは、最後の訣別のつもりでいるが、まあ、そんなことはどうでもよい。
ちょうどそのころから、今回の【itak】の構想が、漠然とではあったが浮かんできたのだった。
もちろんもっと直接的な動機があるのは言うまでもない。
それは昨年の8月から月一で連載している北海道新聞の道内文学(俳句)時評である。
この執筆が決まって以来、毎月文化部からたくさんの道内俳誌が送られてくる。それに目を通すようになって、困惑が深くなっていった。
そこには、俳句が並んでいる。
どれも立派な作品だと思う。けなすつもりはないし、かえって敬意を表したいほどだ。
だが、…止まっている。
十年、二十年、ひょっとしてもっと…。
時間が停止しているように思えてならないのだ。
評論の類いは一切といってもいいほど見当たらない。
ただただ俳句が並んでいるだけだ。
そして、主宰のエッセイ。短い仲間内の作品鑑賞。ほかになにがある?
なにもない。
うすうす気づいてはいたが、これまであえて道外の動向だけ見るようにしてきたので、この現実はあらためてぼくを憂鬱な気分にさせた。
しかし、距離をおいて、評論家然として批判しているのでいいのか。
いいはずがない。
俳句評論を書きながらも、ぼくも実作者であるのだから、やるべきことをなにか考えなくてはならない。
答えはおのずと見えているように思えた。

考えを整理するために書いたものを、週刊俳句249号に時評として掲載してもらった。
週刊俳句時評「『中央』と『地方』について考える」

さらにぼくのブログにこんなものを書いた。
無門日記 「始めてみないか」2012/1/30

すると幸いに西原天気さんがブログ「俳句的日常」で感想を書いてくれた。
西原天気 ブログ「俳句的日常」2012/1/31「『地方』とインターネット」

リンクその後のぼくのブログ。
無門日記 「20分の1」 2012/2/1

この経緯を読んでいただければ、動機の何分の一かは御理解いただけるのではないだろうか。
幸いに発起人15人はあっと言う間に集まってくれた。
これも幸先のよいことである。

これまでほとんど無風状態だった北海道の俳句情況になにかしらの刺激を与え、止まっている車をゆっくりでもいい少しでも動かしたい。
そんな思いで、俳句集団【itak】(イタック)は旗揚げすることとなったのである。

その第1回イベントが5月12日(土)に迫っている。

とりあえず【itak】の declaration は以下のとおり。



【itak】(イタック)発足に向けて
               
私たちは【itak】で何をしようとしているのか?

【itak】が何を目指すのかと言うと、この北海道の俳句状況を俳句そのものの力でもっと面白いものにしようということです。
そして北方詩のリアルな拠点を作る。
そう言うとたいそうなことに聞こえるかもしれません。
でもやることはシンプルそのものです。
句会をやって、俳句関係のイベントやって、その活動報告をネットを使って発信する。
これだけのことです。

ここには結社もなければ現代俳句協会や俳人協会や伝統俳句協会などの組織もありません。
超結社の集団です。
そして出版物としての俳誌は持ちません。
活動報告や作品発表や批評活動はネットを活用します。しかも、徹底的に活用します。
けれど、たとえば週刊俳句のようなウェブマガジンとは違います。
なぜなら、北海道のこの地に出会うことのできた仲間たちで【itak】は運営されるのであり、けっしてネットメディア上の全国区的な存在を目指すわけではないからです。
ヴァーチャルな活動はあったとしても副次的なものとなるでしょう。
基本は顔を合わせての活動です。
顔を合わせて句会をやる。講演会やシンポジウムやいろいろなイベントをやる。
実際に集まってやりましょう。
そしてその報告は徹底的にネットを使って全国に発信します。
印刷物で俳誌を出すよりはるかに多くの人に読まれるはずです。
地に足をつけた北海道の俳句活動と、ボーダーレスのネットとを両輪として動かし、この北海道に新しい俳句の文芸運動を展開できないか。それが【itak】です。

いきなりすごい状況にはならなくともいいのです。
小さく産んで大きく育てるつもりでやっていきましょう。
そして出来上がった作家ばかりでやるのではなく、未完成でも未熟でも、若い世代に俳句の火種を埋め込めることができれば素晴らしいことだと思います。
また、初心者ばかりでやっていても成長しません。ベテランも巻き込んでやっていきましょう。

【itak】が軌道に乗ったら、次は180度への発展です。
一方は、既存の結社や協会組織等への働きかけです。賛同してもらえればコラボをやってみましょう。
一方は、子供たちへの働きかけです。小学生~高校生への働きかけ。これは道立文学館とか協会組織を利用してやったら進めやすいかもしれない。
向う見ずなことをどんどんやって、状況を不安定にしてしまう。あいつら何やっているんだと後ろ指さされるようになること。不安定な状況こそ明日を創りだす原動力となります。
いま、ここで、北海道の俳句文芸の、ちいさな革命が起きようとしています。     

(俳句集団【itak】代表 五十嵐 秀彦)


リンク

句会の告知や報告等は下記ブログで行います。≫公式ブログ


札幌圏在住の皆さんの参加をお待ちしております。
懇親会の参加は5月3日まで受け付けとなっていますが、希望者は要相談です。

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