2013-02-03

10作品テクスト 竹岡一郎 神人合一論

神人合一論  竹岡一郎

灰降ると光る兎や猛る舟

憂国の少女かならず雪に溺れ

温室に吹く骨笛よ媛の骨

臘梅を育て戦に恋に備へ

失はれし橋かをる日は凍死あり

ふるさとはやくざぬすつとみな冴えて

手鏡に雪兎載せ殉じけり

よぢれ咳くこの一人こそ穹を糺す

星間に棲み思ひ出の凍を待つ

狼(おいぬ)炎ゆ遠流の神の香を辿り



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