2013-03-10

【週俳2月の俳句を読む】美味しそう 山下彩乃


【週俳2月の俳句を読む】
美味しそう

山下彩乃



摘草を料るにさつといふ手順   中原道夫

「5秒茹でる」よりも「さっと茹でる」ほうが美味しそうだ。料理する人間にまかせる自由さ、草の種類を特定せず、摘草という雑多な草花たちを連想させるところも春らしい。


つつがなく酒が回れば諸子焦げ   中原道夫

まだか、まだ乾杯ができないのか。よし皆に回ったな、乾杯!と、そうこうしているうちに諸子が焦げている。あっ諸子が焦げている!熱っ!と、ビックリマークが多くてにぎやかな大勢の酒の席。焼くのではなく、諸子を焦がすことで、こんなにも情景が広がる。


冰りたる水面に奥のありにけり   宮本佳代乃

 「奥のあり」ではなく「奥のありにけり」と、下五をゆったりとしたところが良い。水面の深さを感じさせるからだ。凍るでも、氷るでもない漢字もこだわりを感じる。


日脚伸ぶいまらうそくのらのあたり   宮本佳代乃

 「ろのあたり」ではないんだなあ。わたしも「えんぴつのぴのあたり」など日常で使ってみたい。



第302号 2013年2月3日
竹岡一郎 神人合一論 10句 ≫読む
宮本佳世乃 咲きながら 10句 ≫読む
第303号 2013年2月10日
照屋眞理子 雪の弾 10句 ≫読む
第304号 2013年2月17日
皆川 燈 千年のち 10句 ≫読む
第305号 2013年2月24日 
中原道夫 西下 12句 ≫読む 
岩田由美 中ジョッキ 10句 ≫読む

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