2013-08-11

10句作品テキスト 鴇田智哉 目とゆく

 目とゆく 鴇田智哉

7はどうひらくか波の糸つらなる
点線の線になりたる速さかな
かどのある数字が星のよりどころ
木の揺れを覚まさうと日の裏手へと
覚めたるは緑の蓋が嵌めてある
河骨のひらく高さに目のみゆる
虹あとの通路めまぐるしく変る
我は藻のまはりに殖ゆるものらしき
かほを打ちつけて麦秋までもどる
潰れたる西瓜はのちの夜にありぬ


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