2013-08-25

後記+プロフィール 331

後記 ● 西原天気


このあいだの俳句の日(8月19日)、東京・根岸、西念寺の「短冊供養」に出かけました。

「短冊供養」は、正式には「三界迷句未生鬼句浄焚法要」と言うそうです(やたら本格的な感じ)。

案内によれば、

「句会等において、短冊に書いたものの、その後発表することなく忘れてしまった句、一度、脳裏を掠め、瞬間いい句ができたと思いながら、その後どうしても思い 出せない句、手帖の隅に書き置きながらも、捨てざるを得なかった句」の「苦を抜き去り安楽を与え、超えて浄土に生まれさせるための法要」

ということで、なんだか凄いですが、俳句をやっている人なら、そんな句はたくさんあるはずです。

18時30分、本堂で法要俳人でもあらせられる佐山哲郎住職の荘厳なお経(?)、が始まりました。参加者は順にお焼香をあげていくのですが、何を思えば、何を 念じればいいのか、いまひとつわからない。でも、これまで短冊に書いてきた無数の駄句の為にすることです。一心に、無心に、念じました。

法要が終わると、短冊大賞の発表です。

参加者は、玄関先の投句箱に1句ずつ投句するのが決まりで、そのなかで「大賞」が選ばれるという趣向です。

審査員は、古井戸秀夫(東京大学文化資源学教授)、間村俊一(装幀家)の両氏。「なんてムダに豪華なキャスティングなんだ、これは!」と感心しました。

大賞に選ばれたのは、

夏すこし歪んで終わる遠眼鏡  祐天寺

ちょっと苦い抒情、青春性をいいぐあいに含んだ句、と、またもや感心。

そしていよいよ短冊を火にくべる「お焚き上げ」です。本堂から外に出て、火をつけ、炎の中に短冊を放り込んでいきます。



ちょっと、けむい。

こんなんで成仏してくれるのでしょうか。

だいじょうぶ。というふうに考えておきましょう。


お焚き上げが終わると、ついでに線香花火で遊び(ゆく夏、ですね)、それも終わると、酒盛りです。

句会も短冊供養も、終われば同じ。みんなで食べて、飲む。まだ暑さの残る8月の夜が、安穏と、平和に、過ぎていきましたですよ。

写真:かまちよしろう
 
 

それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.331/2013-8-25 profile

■久保純夫 くぼ・すみお
1949年大阪府生まれ。「獣園」「花曜」「光芒」を経て現在、個人誌「儒艮」発行人。現代俳句協会会員。

■山田耕司 やまだ・こうじ
1967年生まれ。俳句同人誌「未定」を経て、俳句同人誌「円錐」創刊に参加。その後、俳句作品の発表を中断。2010年 句集『大風呂敷』出版。現在、「円錐」同人。共著『超新撰21』(2010)。サイト 大風呂敷

■近 恵 こん・けい
1964年生まれ。青森県出身、都内在住。2007年より俳句を始める。「炎環」同人、「豆の木」メンバー。2009年炎環新人賞。2013年現代俳句新人賞受賞。2010年5名による合同句集『きざし』。

■橋本 直 はしもと・すなお 1967年生。「豈」同人、「鬼」会員。「俳句の創作と研究のホームページ」 

■馬場古戸暢 ばば・ことのぶ
1983年生まれ。自由律俳句(随句)結社「草原」同人。

■小川春休 おがわ・しゅんきゅう
1976年、広島生まれ。現在「童子」同人、「澤」会員。句集『銀の泡』。サイト「ハルヤスミ web site

■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952年兵庫県尼崎市生まれ。1952年兵庫県尼崎市生まれ。二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)完結しました。最終号は品切れですが、第一号から第四号までは残部あります。希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp まで。進呈します。サイト「野口家のホーム ページ」

■さはらこあめ さはら・こあめ
広島出身。1973年6月9日生まれ。元「層雲」所属で現在無所属。二年ほど前から自由律俳句を作り始めた。

西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。「月天」同人。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。ブログ「七曜堂」 twitter

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