2013-08-18

自由律俳句を読む 7 かたち 馬場古戸暢

自由律俳句を読む 7
かたち

馬場古戸暢


今回は「かたち」。いろいろな「かたち」が、この世界には存在するのである。

畑の足跡のかたちに霜  北田傀子


読んでそのまま、すっと景が浮かんでくる句。農業に携わっている人であれば、なおさらである。昨日も自身が歩いた証拠が、今日の地面に彩られて残っている。

小さな田が三ヶ月のかたち  薄井啓司

こちらも農業つながりだが、田んぼを月齢であらわし、かつ、それをかたちとしたところが面白い。しかし非常に残念なことに、田植えすらしたことのない私には、三ヶ月のかたちを想像しかねる。

さよならのかたちのまま手袋を脱ぐ  松田畦道

掲句は「さよなら」のかたちときた。なんともいえない温かさ、そして見送った際の寂しさが、かたちとして残ったのである。「なごり雪」を想像したのは、私だけではあるまい。


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