2013-09-29

林田紀音夫全句集拾読 285 野口裕


林田紀音夫
全句集拾読
285

野口 裕




一日が長いたんぽぽまたれんげ

平成四年、未発表句。達人といえども、しょうもない句を時に作る。そうした例として記しておく。


人里に終始して蝶影を生む

平成四年、未発表句。人なつっこい景。蝶に仮託した自画像でもあろう。

 

踏切で待つ蝶が過ぎ鴉過ぎ

平成四年、未発表句。電車が来るには間があるが、もう警笛が鳴り出した。ゆっくりと上下動を伴いつつ蝶が渡り、続いて鴉がゆさゆさと渡る。すぐに電車が来るだろう。のどかな光景に見えるがそうでないような気もする。



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