2013-10-06

自由律俳句を読む 14 河東碧梧桐〔2〕 馬場古戸暢

自由律俳句を読む 14 河東碧梧桐〔2

馬場古戸暢


前回に引き続き、河東碧梧桐句の鑑賞を行う。

子に高々と祭の飾り花を挿し  河東碧梧桐

賑やかな、温かな雰囲気が伝わってくる。この女の子もさぞかし笑顔でいたのではないか。

炭挽く手袋の手して母よ  同

「母よ」が感傷的すぎるとみられるかもしれない。手袋をとった母の手は、ごつごつにささくれていたことだろう。私はこうした単語を含めて、働き者の母の姿を描いた、きれいな生活詠だと思う。

毛虫が落ちてひまな煙草屋  同

毛虫が落ちても、この煙草屋は何の反応も示さなかったことだろう。ひまだからといって、行動を起こしたいわけではないのだ。個人的に、こういう雰囲気の商売をしたいと考えることがある。

泣く話しての笑ひ話よ  同

人はすぐに悲しみを忘れることができる。だからこそ、人は幸せに暮らして行くことができる。「泣く話」より「笑ひ話」を句に詠んでいきたい。

君が病む窓の黒猫が寝てゐる  同

病んでいる君をお見舞いすることもできず、ただ部屋の窓を見上げるばかり。君の側にいられる黒猫がうらやましい。「君」が同性ならば、また話は少し変わってくるが。


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