2013-12-22

自由律俳句を読む 24 『群妙』 〔2〕 馬場古戸暢

自由律俳句を読む 24
『群妙』 〔2〕

馬場古戸暢


前回に引き続き、『群妙』13号(2013年3月発行)掲載句の鑑賞を行う。

そこにあすこに母が居るふるさと  田中利男

「ふるさと」というのは、どうにも哀愁を漂わせていていけない。今は既にない母の面影が、ここかしこに残っているのである。

幼な子の手を引いて妻は夕焼け  藤川正雄

若い家族の生活詠。夕焼けに染まる妻は、いつもにもまして美しく見えたに違いない。

おぞうに食べてみんなまあるいえがお  中村優凛

作者は防府市立図書館自由律俳句講座の生徒で、小学二年生だという。お正月のあたたかさが出ている、いい句だと思う。

高熱の空をつかむ手私とつながる  川上芳江

高熱にうなされる家人を看病しているところを詠んだ句。無意識に伸ばされた手をつないであげるだけで、大分体調も落ち着いたことだろう。

ピクニックびより父が燃えている  林深加

よく晴れたピクニックびよりの今日は、父の葬儀の日。「燃えている」の直接さが淡々とした印象を産むとともに、作者の涙を隠しているかのようにも思える。

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