10句作品テキスト 堀下翔 転居届

堀下翔　転居届

残雪に詩碑あり署名のみ自筆

厚さうな菓子舗の壁や北辛夷

異説かも知れぬ風聞蠅生まる

転居届のつづきのやうに苗札よ

春月やテルミン博士おほきな手

出口より見ゆる風船売場かな

春泥を握れば人の髪まじる

飛行機の音夜桜の中で聞く

掻き毟る頭のやうな桜かな

カーソン忌舟になる木の下にをり

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