2014-08-03

俳句の日 短冊供養のお知らせ(2014年)

俳句の日 短冊供養のお知らせ


東京根岸西念寺の恒例行事である短冊供養が、8月19日(ハイクの日)に厳修されます。

内容は、法要、お焚きあげ、線香花火大会、暑気払いの宴という構成で、参加者持ち寄りの句の中から短冊大賞が選ばれ、発表されます。

日 時:8月19日(ハイクの日)火曜日 夜6時
会 場:東京都台東区根岸3-13-17 西念寺
参加費:志納、飲食物差入れ歓迎

【短冊大賞】
持参句:1句  
審査員:福島泰樹氏(歌人)、古井戸秀夫氏(東大教授)
                  お手伝い:西原天気(「週刊俳句」)

お焚きあげを希望される句は、短冊大賞1句とは別にご持参下さい。



さて、短冊供養とは、正式には「三界迷句未生鬼句浄焚法要」といいます。

すなわち、句会等において、短冊に書いたものの、その後発表することなく忘れてしまった句、一度、脳裏を掠め、瞬間いい句ができたと思いながら、その後どうしても思い出せない句、手帖の隅に書き置きながらも、捨てざるを得なかった句、それらの句を放置しておくと、三界迷句(さんがいめいく)、未生鬼句(みしょうきく)として「鬼趣(きしゅ)永劫(ようごう)に浮沈し、飢火(きか)常に燃え」る状態となり、人をして甚だ「苦汁(くじゅう)悪味(あくみ)」を嘗めしむる、とされています。

これら三界迷句、未生鬼句の御供養をし、浄焚(じょうぼん=お焚きあげ)するならば、句は穢土を離れて「悉(ことごと)く天に生(しょう)ずる」というのです。

短冊供養とはまさに、過去現在未来を彷徨(さまよ)う句、生まれえずして葬られた句の、苦を抜き去り安楽を与え、超えて浄土に生まれさせるための法要であるのです。

法要において読まれる宣疏(せんしょ)に「亦(また)人をして、近くは現に秀句を招き、遠くは即ち俳妙(はいみょう)を成(じょう)ぜしむ」とあることから、何やら現世的な利益も期待できるということで、あるようです。

浄壇(じょうだん)を設け発遣(はっけん=浄土へと遣る)お焚きあげの際に用いられる漆黒の窯は、三州の鬼瓦職人に金作という名陶工があり、此の人があると き発願(ほつがん)するところあって、型造り焼き上げた満願の日、登り窯より五七五、十七文字(もんじ)の紫煙(しえん)が立ち昇った、という謂れのある 不可思議の逸品であり、まことに仏縁(ぶつえん)奇縁(きえん)ありて、いつの頃か、呉竹(くれたけ)の根岸の里、西念寺に奉納(ほうのう)されたもの、 と寺伝にあるのです。


2009年8月19日の短冊供養

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