2014-09-21

自由律俳句を読む 61 松宮寒骨〔1〕 馬場古戸暢



自由律俳句を読む 61   松宮寒骨1

馬場古戸暢


松宮寒骨(まつみやかんこつ、1883-1968)は、金沢出身の自由律俳人。『朱鞘』を経て『海紅』に拠り、『三昧』創刊に参加。以下『自由律俳句作品史』(永田書房、1979)より、数句を選んで鑑賞したい。

明日は刈らるゝ杉山しづかに夕映えてゐる  松宮寒骨

「しづかに」の主観に、惹かれるところがある。この頃にも、花粉症の人はいたのだろうか。

森静かに秋の昼わが足音なつかしくきく  同

「静かに」の主観には、惹かれるところはあまりない。むしろ、「なつかしく」の方が面白いように思う。森歩きは、かつての寒骨の日課だったのかもしれない。

青空に向ひ寝転ぶとけ行く如し心地よし  同

前二句と同様、この句にも寒骨の感情がそのまま入ってきている。よほど青空の下が気持ちよかったのだろうか。

あんずがなつている下をたゞ歩いて来たばかり  同

現代に生まれた自身にとっては、「たゞ」は憧れの単語のひとつである。いつか何かで格好よく使ってみたいが、どのように用いても格好悪くなってしまうだろうとも思う。

秋まひる庭を這ふもの小亀なり首をふりふり  同

いつの日か、亀と暮らしたいと考えている。庭に亀がいる生活は、さぞかし楽しいことだろう。一緒に首をふりふりしながら、秋のまひるを過ごしたい。

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