2014-10-12

後記+執筆者プロフィール 390

後記 ● 福田若之


昨日、ブライアン・セルズニック『ユゴーの不思議な発明』(金原瑞人訳、アスペクト文庫、2012年)がたまたま中古で安くなっているを見つけたので買いました。全部で540ページほどの、絵本といったらいいのか小説といったらいいのか、たくさんの絵といくらかの写真と、ときどき挿入される文章で出来ている、そんな本です。マーティン・スコセッシ監督の映画で知っている人も多いかもしれませんね。

まだ、読み込むというよりはぱらぱらと眺めていっているというような段階なのですが、これがとてもいい。温度を感じる絵です。トリュフォーの『大人は判ってくれない』(1959年)なんかに大きな影響を受けたということが巻末にかかれているんですが、その雰囲気はかなりあります。絵だけではなくて物語の上でも、この本に出てくる大人たちは、やっぱり、なかなか判ってくれない(まあ、『大人は判ってくれない』の原題はまた全然違うのだけれども)。

さて、この本のぬくもりあるイラストのなかに差し込まれていただけに衝撃的だったのが、1895年10月22日のモンパルナス駅での列車事故の写真。

 ←こんなのです。

これに限らず19世紀にはひどい鉄道事故がいくつもあって、当時の鉄道恐怖症を切り口にした文化史の研究も結構あります。

そもそも、歴史上はじめて旅客鉄道として運行した蒸気機関車ロケット号からして、その開通式で人身事故を起こして死者を出したりしているくらいです。戦慄。

と、気がついたら、『ユゴーの不思議な発明』の話をするつもりが、蒸気機関車は怖い、という話になっている(まあ、でも『ユゴーの不思議な発明』にも、蒸気機関車は怖い、という話と読めないこともないところもあるか)。



それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。



no.390/2014-10-12 profile


■二村典子 にむら・のりこ
1962年愛知県生まれ。1985年頃俳句を始める。「船団」会員。2004年頃川柳を始める。「ねじまき句会」メンバー。

柳本々々  やぎもと・もともと
かばん、おかじょうき所属。東京在住。ブログ「あとがき全集。」http://yagimotomotomoto.blog.fc2.com

■角谷昌子 かくたに・まさこ
東京在住。鍵和田柚子に師事。「未来図」同人。俳人協会幹事、国際俳句交流協会評議員、日本文芸家協会会員。詩誌「日本未来派」所属。句集に『奔流』『源流』。木島始との共著に『バイリンガル四行連詩集〈情熱の巻〉』、角川書店 『鑑賞 女性俳句の世界(5巻 井沢正江)』、俳人協会紀要「中村草田男 第一句集『長子』の時代」ほか。目下、揚羽蝶の飼育に熱中。近所の井の頭公園散策が日課(井の頭バードリサーチ会員)。

■馬場古戸暢 ばば・ことのぶ
1983年生まれ。自由律俳句(随句)結社「草原」同人。

■岡野泰輔 おかの・たいすけ
船団の会会員。共著 『俳コレ』『季語キラリ』『漱石東京百句』『俳句の動物たち』。

■瀬戸正洋 せと・せいよう
1954年生まれ。れもん二十歳代俳句研究会に途中参加。春燈「第三次桃青会」結成に参加。月刊俳句同人誌「里」創刊に参加。2014年『俳句と雑文 B』を上梓。

■しなだしん しなだ・しん
1962年、新潟県柏崎市生まれ。東京都在住。1997年「青山」入会。1999年「青山」同人、俳人協会会員。2008年、第一句集『夜明』(ふらんす堂)上梓。2011年 第二句集『隼の胸』(ふらんす堂)上梓。「青山」当月集同人。2013年「塔の会」参加。合同句集『塔の会 九集』『新現代俳句最前線』。「青山」「OPUS」。

■喪字男 もじお
1974年大阪府生まれ。2012年より屍派に導かれ作句開始。「エロティック・セブンvol.1」参加。2014年9月より「里」同人予定。twitter ID:@_mojolovich

福田若之 ふくだ・わかゆき
1991年東京生まれ。「群青」、「ku+」に参加。共著『俳コレ』。現在、マイナビブックス「ことばのかたち にて、「塔は崩れ去った」連載中(火曜日更新)。





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