2014-11-16

後記+プロフィール395

後記 ● 福田若之

「飛ばねえ豚はただの豚だ」とは、紅の豚ことマルコ・パゴットの言ですが、やはりそれは飛ぶ豚の言い草であって、実際はそんなこともないんじゃない? と思わせてくれるのが荒川倉庫さんの「豚三十句」。なんか、これ、癒されるなあ。

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いろんな文章を読んでいると、引用に触発されるということがままあると思うのですが(つきつめるとベンヤミンの『パサージュ論』などに行き着く)、今回、柳本々々さんの「顔パンチされる機関車トーマス」の註2の引用は興味深いと思いました。とりわけ、『北斗の拳』、『ドラゴンボール』、『スラムダンク』、『ジョジョの奇妙な冒険』に共通して見られる暴力の代行はとても気になります。

そもそも、暴力というのは代行可能なものなんでしょうか。マンガの登場人物たちはそれを自然なことのようにやってみせるけど、他者の「分」の暴力をふるうことなんて、本当にできるんでしょうか。

む。なんだか、くそまじめなことを書いてしまった。

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そうそう、小津夜景さんの「アートと抱擁の話」は、七段落目まで取り上げる句の作者の名前が出てこない。こういう、いわば文体上のじらしの技術というのは、決まるとかっこいいですよね。

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それから、平山雄一さんによる「『後藤兼志全句集』刊行のお知らせ」は、とても読み応えのある「お知らせ」です。ぜひご一読を。

「「俳句gathering 関西6大学俳句バトル」のお知らせ」もぜひ。

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それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。



no.395/2014-11-16 profile

■かたしま真実かたしま・まみ
1964年生まれ。98年より俳句を始める。「童子」「草蔵」を経て、境野大波氏に師事。終刊まで「大」同人。

■荒川倉庫 あらかわ・そうこ
1972年千葉県生まれ。第1回北斗賞佳作。

■小津夜景 おづ・やけい
1973年生まれ。無所属。

■柳本々々 やぎもと・もともと
かばん、おかじょうき所属。東京在住。ブログ「あとがき全集。」http://yagimotomotomoto.blog.fc2.com

■田中槐 たなか・えんじゅ
1960年静岡県浜松市生まれ。「未来短歌会」所属。岡井隆に師事。95年「短歌研究新人賞」受賞。2009年4月より朝日新聞「短歌時評」連載。現代歌 人協会会員。歌集に『ギャザー』(短歌研究社)、『退屈な器』(鳥影社)、『サンボリ酢ム』(砂子屋書房)。2011年より「澤」会員。ブログ「槐の塊魂Ver.2」

■西村遼 にしむら・りょう
1982年神奈川県生まれ。2011年春から俳句をはじめ、吉野裕之に師事。2012年「豆句集 みつまめ」創刊に加わる。2014年「傍点」創刊同人。

■月野ぽぽな つきの・ぽぽな
1965年長野県生まれ。ニューヨーク市在住。「海程」同人。現代俳句協会会員。2008年海程新人賞、2010年現代俳句新人賞、2014年海程賞受賞。
月野ぽぽなフェイスブック:http://www.facebook.com/PoponaTsukino

■鈴木不意 すずき・ふい
1952年生まれ。同人誌「なんぢや」、「蒐」所属。外に出ないと句ができない現場派。

■堀下翔 ほりした・かける1995年北海道生まれ。「里」「群青」同人。筑波大学に在学中。

■大塚 凱 おおつか・がい
1995年千葉県生まれ。俳句甲子園第14、15、16回大会出場。「群青」同人。

■角谷昌子 かくたに・まさこ
東京在住。鍵和田柚子に師事。「未来図」同人。俳人協会幹事、国際俳句交流協会評議員、日本文芸家協会会員。詩誌「日本未来派」所属。句集に『奔流』『源 流』。木島始との共著に『バイリンガル四行連詩集〈情熱の巻〉』、角川書店 『鑑賞 女性俳句の世界(5巻 井沢正江)』、俳人協会紀要「中村草田男 第 一句集『長子』の時代」ほか。目下、揚羽蝶の飼育に熱中。近所の井の頭公園散策が日課(井の頭バードリサーチ会員)。

■馬場古戸暢 ばば・ことのぶ
1983年生まれ。自由律俳句(随句)結社「草原」同人。

■有川澄宏 ありかわ・すみひろ
1933年、台北市生まれ。「円座」所属。「青稲」同人。

■平山雄一  ひらやま・ゆういち 1953年生まれ。1987年より、吉田鴻司に師事。2003年、 第一句集『天の扉』を上梓。2006年より、超結社句会“わらがみ句会”代表。結社誌『鴻』で俳句エッセイ「ON THE STREET」を連載中。ロックやコミックスなどのポップカルチャーと、俳句の共通点を探求している。

■福田若之 ふくだ・わかゆき
1991年東京生まれ。「群青」、「ku+」に参加。共著『俳コレ』。現在、マイナビブックス「ことばのかたち」にて、「塔は崩れ去った」連載中(火曜日更新)。

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