2015-02-08

自由律俳句を読む 79  第三回全国自由律句大会〔1〕 馬場古戸暢

自由律俳句を読む 79

第三回全国自由律句大会1

馬場古戸暢


2014年10月19日、第三回全国自由律句大会が東京にて開催された。投句数は561であり、投句者の互選によって入賞作品が決まった。自由律句大賞を受賞したのは、33点を獲得した「夕暮れがもっと一人にする」(田中里美)である。以下では大会作品集より数句を選び、鑑賞したい。

未婚の腹水泳ぐ胎児のプール  久保田晋一

「未婚の腹水」の表現が面白い一句。胎児にしてみれば、そんな社会制度など関係あるまい。来たるべき時に備えて、ただ泳ぎ続けるだけなのだ。

鈍行を乗り継いで行く子見送る  安門優

田舎に残る親側からの視点だろう。しかし鈍行を乗り継がなければいけない地方とは、現代の日本でどのあたりとなるのだろうか。いっそのこと、飛行機を用いた方が最近では安い気もした。

伸ばした小さな手も桜  徳永純二

入賞句。桜と子供は、景として非常に愛らしい。この子供の周囲には、たくさんの笑顔が広がっていたことだろう。

私の墓場に蝶が来ている  野村信廣

生前に墓地を入手すると、たまに掃除へ赴くことが日常生活のうちに組み込まれる。自分が逝った後の様子を想像できる、静かな景であった。

もう母でない母と座っている  島田茶々

準大賞句。恍惚の人とは、何になってしまった者なのだろうか。母でない母は、本当に母なのだろうか。

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