2015-03-22

自由律俳句を読む 85 安斉桜磈子〔1〕 馬場古戸暢

自由律俳句を読む 85
安斉桜磈子〔1

馬場古戸暢




安斉桜磈子(あんざいおうかいし、1886-1953)は、宮城出身の自由律俳人。新傾向俳句に惹かれ、碧梧桐が選者を務める新聞『日本』の俳句欄に投句。後に『層雲』に碧梧桐らとともに参加し、『海紅』にも加わる。碧梧桐が『海紅』を去るも、これに動ずることはなかった。以下では数句を選んで鑑賞したい。

百年たれか生きん音頭なとれ踊れをどれ  安斉桜磈子

非日常である祭において、人びとが踊り狂っている様子がよく描かれている。「百年たれか生きん」が、個人的には非常につぼにはいる。

われ酔ひ子らの見る布団に臥すべき  同

酔っぱらった父親らしい行動である。毎晩臥して行ってほしい。

梟に似て黙す一家昼をあり  同

たまたま静かに昼食をとっていたのか、それとももともとかおとなしい一家なのか。先の「われ酔ひ」の句との落差が面白い。

二少女さびしくてむかご拾ふ事をやめ  同

「さびしくて」と、二少女に対する自身の主観を入れているところがよい。むかご拾いをやめた後、いったい何をしていたのだろうか。

冬至とある家の黒い牛冬至白いにはとり  同

冬至の繰り返しは、この句ではやはり必要となろう。黒と白の対比とともに、句にめりはりをもたらしているのではないだろうか。

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