2015-04-05

自由律俳句を読む 87 高木架京〔1〕 馬場古戸暢

自由律俳句を読む 87
高木架京〔1〕

馬場古戸暢



高木架京(たかぎかきょう、1952-)は、福岡を拠点に活動している自由律俳人。1996年に、重富架光が率いる『新墾』に合流して以降、『層雲』へも加入するなど、活動の幅を広げてきた。2014年には新たに創刊された『青穂』に参加。以下では数句を選び、鑑賞したい。

行き先の違う雨を帰っていく  高木架京

「行き先の違う/雨を/帰っていく」、と読むべきか。雨天の中、それぞれの帰路についたところだろう。「行き先の違う雨」と読むと、少しばかりファンタジーが広がるように思う。

にほひ袋ほしいとねだる春霞  同

にほひ袋なるものが存在することを、これまで知らなかった。江戸期創業の専門店もあるようで、種類も多岐におよんでいる。春霞に似合ったにおひを求めたくなる。

触れたい手が遠い月明かり  同

一緒の空間において、月明かりが射し込んでいるところだろう。さっさと触れてしまえばよいのにと思うのは、自身が第三者だからに過ぎない。

月の冷たさをテーブルに置く髪飾り  同

月明かりが射し込んでいるテーブルか。女性らしい句。

風鈴に君の風がきている  同

外―君―風鈴-私の並びとなっているところか。それとも、並びに関係なく、君のような風がきていたのか。子供の頃、祖母宅近くに広がる海を「ばあちゃんの海」と呼んでいたことを思い出した。

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