2015-04-19

自由律俳句を読む 89 岡田平安堂 馬場古戸暢

自由律俳句を読む 89
岡田平安堂

馬場古戸暢



岡田平安堂(おかだへいあんどう、1886-1960)は、京都出身の自由律俳人。生涯を筆商として過ごし、喜谷六花や小沢碧童らと竜眠会の運営に努めるとともに、『海紅』や『海紅同人句録』の創刊に尽力した。以下では数句を選んで鑑賞したい。

つかれたる帯ときたり蚊帳せまし  岡田平安堂

平安堂自身の様子を詠んだものと考えてもいいし、他の女性の様子を詠んだものと考えてもよい。後者であれば、「蚊帳せまし」が艶やかに生きてくる。

童女のまなざし神あり冬の海あり  同

「冬の海あり」の取って付けた感が、またよいように思う。童女のまなざしに、神とまではいかずとも、たまに畏怖を覚えることはわかる。

此道冬木の道行く一碧楼黒いマント  同

一碧楼の様子をそのまま詠んだ句があるとは、知らなかった。やはり、冬と一碧楼は離しがたいのか。

少し銭もち深川のあたりことに木場の浅春  同

浅春の深川を、のんびりと散策しているところを詠んだものだろう。説明文的な箇所が、この季節の冗長な感じを描き出しているように思う。

わたしたつてゐる木々づうとたつてゐる冬来る
  同

寒くはないのかと余計な心配をしたくなるが、ここで寒がっていては句にならない。木々と一緒に冬の到来を感じていたい。

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