2015-05-03

〔今週号の表紙〕第419号 パーマ 近恵

〔今週号の表紙〕
第419号 パーマ

近恵


初めてパーマをかけたのは確か高校二年生。

松田聖子が世を席巻している時代で、髪の長さは違っても、とにかくサイドの毛にパーマをかけて後ろにブローして流した「聖子ちゃんになったつもりの女生徒」が溢れ返っている時代でした。同世代の人には心当たりがあるはず。卒業アルバムの中のクラスの女子の大半が聖子ちゃんカット及びその亜流という恐るべき光景を。。。

御多分に漏れず私も、ショートヘアにも関わらず前髪とサイドにパーマをあて、これがまたロット一本百円なんて良心価格で部分パーマをあててくれる美容室があったりしたもんだから、少ない小遣いでも親に隠れてこっそりパーマをあてたりしたものでした。

ある夜、洗い髪を乾かしていたところ母親にパーマがバレてしまい、こっぴどく叱られ、なにしろパーマは校則で禁止されていたので落としてこいと言われ、翌日しぶしぶ美容室に行ってパーマ落として下さいと頼んだら、これがまた髪を傷めてしまい、結果的に前髪がちりちりになって更に悪化。嗚呼涙目の青春の一ページ。。。

で、件の「パーマ」なんですが、これが線路の高架の手すりに黒のマジックインキで。

これは落書きアートのつもりなの? にしてはあまりに創作意欲がなさすぎる。ではいわゆる「ナントカ参上」的なもの? にしてはあまりに主張のない書体。うーん、いったい誰がなんの目的でこんなハンパなものを・・・とか思ったものの、これが物凄く凝った装飾文字の「パーマ」だったら、その目的が知れてしまい、それほど「パーマ」について思いを巡らすこともなかっただろうと思う訳です。そして涙目の青春の一ページを不特定多数の世間様に向けてご披露することもなかっただろうと思うワケです。

そう思うと、この「パーマ」の文字って実に俳句的。全部わかっちゃうよりも、わからないことのある方が俄然興味が湧くって感じで。

そういえば恋愛の初期の頃もそんな感じでトキメクよね。相手がどんな人なのか知りたくってドキドキ、みたいな。ひとりになるとアレコレ妄想してドキドキ、みたいな。

そんなどうでもいいような事をとりとめもなく思う春の終わり。


〔元祖〕聖子ちゃんカット
〔亜流〕聖子ちゃんカット:少林寺木人拳



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