2015-05-10

【週俳4月の俳句を読む】包む愛 藤幹子

【週俳4月の俳句を読む】
包む愛

藤 幹子


北大路翼「花の記憶」より

見たことがない苧環が誕生花  北大路翼

確かに見たことがない。画像を探すと大変可憐な花ではあるのだが。見たことのない花を、あなたの生まれの花よ、と指し示されたとき、人はどんな表情を浮かべればよいのか。(笑えばいいと思うよ。)この中途半端な空気、居心地の悪さ、そわそわする。

色によって変わるが、全般的な花言葉は「愚か」。うん、笑えばいいと思うよ。

近づくほどにブラジャーは紫陽花だな  同

いい。量感が、質感が、いい。花レースに丹念に埋められた四分の三カップ及びフルカップに幸あれかし。ハーフカップでは紫陽花感が薄れる。近づいて欲しいなあ。迫ってくるビジュアルが欲しいなあ。

花言葉は「移り気」「冷たい人」などが代表的らしい。冷たい女王の胸が迫ってくる、なるほど、良い。

葉牡丹が特殊な性癖だとしたら  同

特殊かもしれぬよ。二月に屹立する葉牡丹の塔を見ると、あるやもと思わせる。屹立し張りつめた頂点に、ある日ぽんっ、と可愛らしい花が咲くのだから、叱っていいやら脱力したらいいやらわからない。 どんな芸だ。

花言葉は諸説ありますが「包む愛」。確かに、出てくるまでは大事に包まれていますね。




第415号2015年4月5日
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