2015-08-30

〔今週号の表紙〕第436号 クガイソウ 有川澄宏

〔今週号の表紙〕
第436号 クガイソウ

有川澄宏


クガイソウ。漢字だと九蓋草、九階草。

葉が輪状に数段咲くので、この名が付いたと言われますが、段数はいろいろあり、五重塔などの屋根から天に向かって突き出た金属製の部分の相輪(そうりん)を思わせます。2000メートル前後の山地や高原の日当たりの良い草地に生育しています。

私は、お盆休みの喧騒が終わった8月下旬から、新学期が始まる9月の初め頃に旅行に出かけるのが好きです。高速も電車も空いている。旅館も民宿も人影まばら。ある程度標高のある山や草原に行くと、夏の花が最期の輝きをはなっているし、気温が早く下がるので、秋の花が一斉に咲き始めている。夏と秋の草花が同時に楽しめる。繁殖を終えた夏鳥の親や若鳥が、故郷を去りがたそうに飛び回っている。海を越えて南下する鷹(サシバ)や蝶(アサギマダラ)が動き始めています。

写真のクガイソウは、長野県の小諸から急坂を高峯温泉まで登り、その先の池の平湿原(三方ケ峰)で撮った一枚です。

野草、とくに山の花は、誰と何処で見たかが、記憶としては永く残ります。この花と初めて出会ったのは、池ノ平湿原で、今のかみさんとでした ∈^0^∋。

(掲載の写真は、ずっと後のものです)。

ヤナギランやマツムシソウ、オヤマボクチ、アキノキリンソウ、ウスユキソウなど、南国育ちの私には珍しい花ばかりでしたが、切りがないので、ここらで。

なお、この花は、リューマチ、関節炎、利尿に効く漢方薬としてもつかわれているようです。



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