2015-11-15

【八田木枯の一句】絵屏風を立てて風邪寝の部屋らしく 西村麒麟

【八田木枯の一句】
絵屏風を立てて風邪寝の部屋らしく

西村麒麟


『八田木枯少年期句集』より。

絵屏風を立てて風邪寝の部屋らしく  八田木枯

高熱や咳のひどい時期を終えて、安静にしていなさい、ぐらいの状態だろう。

世の中には暇で暇で困るという状態でないと出来ないことがある。風邪寝は本人が望んだわけではないけど、まぁ、暇な状態と言える。かといって読書をするほど元気ではない、病人だもの。

天井の木目を見たり、布団や枕の刺繍を観察したり、仏壇や普段はちっとも見ない壺なんかを布団の中から眺めたりする。

なんせ暇なもので。

そんなもん楽しくはないだろうと思うけれど、案外楽しいものだ。ちなみに僕は木目を見るだけでも楽しい(病気の時は)。

絵屏風なんかは最高に楽しいはずだ。山を巡り舟に乗ったり、釣や酒を楽しむ。目で遊ぶにはこれ以上の玩具はないだろう。

これもまた豊かな時間だ。


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