2016-07-10

後記+プロフィール 第481号

後記 ● 上田信治


天気さん企画の「特集BARBER KURODA」すごく面白い。

このパッケージ感は、メジャーでマイナーな、いい時代の紙の雑誌から来ているセンスという気がします。

どうぞ、お楽しみ下さい。



ドイツという国は、ナチスの時代になんでああ非道かったかというと、じつは、あの国、何百年かに一度、国土がパンケーキをひっくり返すように上下入れ替わり、「下」からあらわれた悪いドイツ人が人類史的災厄をもたらし、戦争が終わるとまた引っ込んだのです、という、アル中の暴力亭主の言い訳のような、SFというか与太話を読んだことがありました(キルゴア・トラウトだったかな)。

すぐ思ったのは、ウチの国の前回の「やらかし」のことで「ああそういえば、あの前にも地震があったんだよな」という。



2013年の3月1週のミニ震災特集時評で、自分は、

日本人全体が、こんどのことで経験し思い知ったのは、自分たちが、ひじょうにふまじめで、ずるく、ひきょうで、ものごとをあらためる力もなく、なにひとつ新しいことが実現できない、ということです。

「知ってた」と、言いたいところだけど、さすがに、ここまでとは思わなかった——というのが、じっさいではないでしょうか。

そういう、(まあ言ってしまえば)プライドのようなものが毀損して、なお生きていかなければいけないという事態は、長谷川氏が言うように国民に「深みを帯び」させたりせず、むしろ、いっそう「浅く」するでしょう。


と書きました。

いやあ、来てますね、その「浅さ」につけ込むようにしてグイグイと。より深刻な現実感を欠いた「浅さ」が。

ああ、前回の「やらかし」のときも、こんな感じだったのかー、きっと、あのころも、日本人は上から下まで、この現実感のなさを生きつつ、お互いいじめ合ってていたんでしょう。

こんな体験学習はしたくなかったw




それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。
 


no.481/2016-7-10 profile



■野口る理 のぐち・るり  
1986年生まれ。スピカ所属。句集『しゃりり』。

中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。

■石原ユキオ いしはら・ゆきお
憑依系俳人。ときどき歌人に憑依されて短歌をつくります。

■江口ちかる えぐち・ちかる
1961年尼崎市生まれ。川柳バックストローク同人。街俳句会所属。深野ちかる名で小説習作中。

■井口吾郎 いぐち・ごろう
「月天」「百句会」「水の底楽団」ほか所属。ブログ「死んだら談志」

柳本々々  やぎもと・もともと かばん、おかじょうき所属。東京在住。ブログ「あとがき全集。」http://yagimotomotomoto.blog.fc2.com

■曾根 毅 そね・つよし 1974年生まれ。「LOTUS」同人。現代俳句協会会員。第4回芝不器男俳句新人賞。句集『花修』(2015年、深夜叢書社)。

■佐藤文香 さとう・あやか 1985年生まれ。句集『海藻標本』『君に目があり見開かれ』。blog「さとうあやかとボク」

■堀下翔 ほりした・かける
1995年北海道生まれ。「里」「群青」同人。筑波大学に在学中。

■ひだか命樹 ひだか・めいじゅ
1998年生まれ。永遠の17歳。『ゲリラ句会』常連。『俳句バトル(俳バト)』運営。

■井上雪子 いのうえ・ゆきこ
1957年、横浜市生まれ。2008年「山河」入会。2010年秋から吉野裕之に師事し、2012年「豆句集 みつまめ」創刊に加わる。

■太田うさぎ おおた・うさぎ
1963年東京生まれ。「豆の木」「雷魚」会員。「なんぢや」同人。現代俳句協会会員。共著に『俳コレ』(2011年、邑書林)。
■畠 働猫 はた・どうみょう
1975年生まれ。北海道札幌市在住。自由律俳句集団「鉄塊」を中心とした活動を経て、現在「自由律句のひろば」在籍。

西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。ブログ「俳句的日常」 twitter

■上田信治 うえだ・しんじ 1961年生れ。共著『超新撰21』(2010)『虚子に学ぶ俳句365日』(2011)共編『俳コレ』(2012)ほか。

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