2016-11-27

【句集を読む】すべてオッケー 瀬戸正洋『へらへらと生まれ胃薬風邪薬』を読む 西原天気

【句集を読む】
すべてオッケー
瀬戸正洋『へらへらと生まれ胃薬風邪薬』を読む

西原天気



冷酒や鮨屋で独逸人倒れる
  瀬戸正洋

「え?」ということが、ときに起こる。人が倒れることを予期して鮨を食う人はいない。ましてやドイツ人が、となると、なおさら。


蒲公英や爆発しない手榴弾  同

爆発しないからいい、というものでもない。


世の中、思ってもみないことだらけ。


妻の前の狸慌てて妻も慌てて  同

家庭内も、同様。タヌキと妻の鉢合わせ。双方が「あわわ、あわわ」と。絵が浮かぶ。


春大根口を利かなくなった妻  同

のっぴきならない。


「内憂外患」は、この場合、誤用か。

いや、そんなことはどうでもよくて、つまり、世の中、いろいろなことが起こる、ということ。

けれども。

焼酎の神様が居て日暮れかな  同

これですべてオッケー。今日も日が暮れて、また明日、なのであります。


瀬戸正洋句集『へらへらと生まれ胃薬風邪薬』(2016年10月15日/邑書林)
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