2017-06-25

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 第5回 Rufus Thomas - Do the Funky Chicken

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第5回 Rufus Thomas - Do the Funky Chicken



天気●ルーファス・トーマスは、当時すでにソウル/ファンクの大御所。「セックス・マシーンじゃないジェイムズ・ブラウン」といった趣きです。ピンクのシャツと白い半ズボンがキュート。

憲武●ルーファス・トーマスといえば、このコスチュームというイメージあります。でもちょっと8時だョ!全員集合のドリフを思い起こしたりもして。

天気●ゴスペル合唱団ふう?

憲武●さらにルーファス・トーマスといえばメンフィスですが、ジム・ジャームッシュの「ミステリー・トレイン」にメンフィスの人気者おじさんみたいな役で出てましたね。

天気●永瀬正敏と工藤夕貴が出てるやつね。あの映画、スクリーミン・ジェイ・ホーキンスも出てました。「I Put a Spell on You」はジャームッシュの第2作「ストレンジャー・ザン・パラダイス」ですごく印象的に流れてましたね。おっと、曲に話を戻しましょう。

憲武●このチキンは、少々可愛げがありますね。

天気●ソウル/ファンクに出てくるチキンがよく出てくるのですが(Jaco Pastoriusの「The Chicken」とかね)、カタカナ語で定着しつつある「臆病者」という意味じゃなくて、なんだか愉快な動物。俳句で言うと「羽抜鶏」のイメージです。

憲武●羽抜鶏ですか。面白うてやがて哀しき、みたいな。DO THE FUNKY PENGUINって曲もありましたね。ところでこれは野外コンサートですか。

天気●このコンサートは1972年の「WATTSTAX」。「WATTSTAX」は、WattsとStaxの合成語。

憲武●ほほう。

天気●1965年8月にカリフォルニア州ワッツ市(当時)で起きた暴動事件。住民の99%が黒人(アフリカ系アメリカ人)のその地区で、白人警官と住民の諍いをきっかけに大規模な暴動に発展した。

憲武●今も昔もこうした差別感情による暴動事件というのは、後を断たないですね。

天気●その7年後、ソウルレーベルで有名なスタックス・レコードが「ワッツ暴動」を記念して、というのは言い方がヘンですが、ともかく「暴動あったよね」的な大コンサートを開いたということです。

憲武●同胞を悼むというか、称揚するような意向もあったのでしょうね。この会場は野球のスタジアムのような感じですが。

天気●ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム。アメフトのスタジアムですね。その柵を観客が乗り越えまくって、何が起こるかと思えば、踊る。ひたすら踊る。これはこのライブのハイライト。

憲武●子供もしっかりと踊ってますね。自然に身体がリズムに乗ってる感じがかっこいい。見てるとなんだか踊りたくなっちゃう。

天気●「俳人は踊らなさすぎ」とふだんから申し上げています。少し前の句会後には、ディスコ曲を鳴らして、ウチの狭い居間で踊り狂うというファンキーな事件もあったのですが、それはともかくとして、この映像は俳人必見。

憲武●ファンキーって、ルーファス・トーマスにとってはとても重要な精神と伺えます。

天気●俳句にもネ。重要よ。


(最終回まであと996夜)
(次回は中島憲武推薦曲)

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