2017-09-03

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 第15回 吾妻光良&The Swinging Boppers 「150~300」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第15回 吾妻光良&The Swinging Boppers 「150~300」



天気●憲武さんは、血圧、高いですか?

憲武●えーと70から120くらいでしょうか。

天気●理想的ですね。

憲武●いわゆる「今日も元気だ。タバコがうまい」レベル。タバコ吸わないですが。

天気●私は低い。上が90を切ったりする。

憲武●ええっ? そりゃ低い。

天気●まあ、高くても低くてもみんな生きてるし、みんないつかは死ぬんだから、どうでもいいんですけどね。…というわけで、血圧の歌です。


天気●腹が立って、カーっと血圧が上がっちゃうシチュエーションを歌ってます。最初が、受注したと思って二晩徹夜で仕上げた仕事が宙ぶらりん。このへんは、憲武さんも私も受注側の人間、いわゆる業者の仕事が長いから、よくわかるんじゃないですか。

憲武●むかし広告デザインの仕事してたとき、よくありましたね。ちょうどバブルの頃だったんで、一週間事務所に寝泊まりなんて、しょっちゅう。まっ黒ですよ。

天気●ふたつめは、自治会から会計資料の作成を頼まれたところ、パソコンがダウン。みっつめは、空港に向かう途中の交通トラブル。文明に暮らす悲哀(笑

憲武●でもなんか楽しそうなんですよね。

天気●よっつめが気取った飲み屋の勘定。最後が帰宅して、飯がない、風呂に入れない。「家に帰れば」ネタで締めるところがシブい。バラッド(物語歌)の美味しいとこを押さえています。

憲武●谷啓の「あんた誰」もそうですよね。最後に家に帰る。

天気●どのエピソードも、働くオトナにとって実感のある「頭来る」事象ばかりで、ほんとよく出来ています。

憲武●思わず踊っちゃうような進行で。

天気●音的にはジャイブの部類でしょうか。軽快で、スウィング感たっぷり。大好きな音、それに歌唱です。

憲武●聞いてて気持ちいいって、重要ですよね。下半身モヤモヤ、みぞおちワクワク、頭クラクラ。

天気●はい。3箇所とも、なんとなくわかります。「みぞおち」はちょっと凝りすぎの感が否めませんが、まあ、それはそれとして、妻の小学校のときの同級生がスウィンギング・バッパーズのメンバーで、その縁で数年前にライブを観たんです。まあ、全体にそういう年代の人たちだから、歌詞は、われわれの生活感覚にぴったり来る。

憲武●むかし学祭に来ましたよ。スウィンギング・バッパーズ。81年頃でしょうか。

天気●へぇ! 結成して数年の黎明期。CDデビューの前ですね。貴重な体験ですよ。

憲武●そうなんですね。

天気●でね、メンバーのほとんどが音楽専業ではなく、別の稼業を持っているらしい。

憲武●それはちーとも知らなかった。俳人のようですね。

天気●そのへんから来る、いい意味のアマチュアリズム?

憲武●アマチュア・アカデミーというか。

天気●それも、曲や演奏に素敵に反映されているみたいな気がします。それにしても、150から300って、高すぎませんか。沸騰したヤカン状態ですね。300で生きていられるのか、調べてみてもいいけれど、まあ、誇張だからこだわることもない。


(最終回まで、あと986夜) 
(次回は中嶋憲武の推薦曲)

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