2017-10-22

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 第22回 朱里エイコ「白い小鳩」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第22回 朱里エイコ「白い小鳩」

憲武●まったく使われなくなってしまった言葉や失われた言葉って数知れないですね。「脚線美」って言葉も、いまやあまり見かけないと思うんですが。謳い文句や惹句などでもあまり。

天気●美脚って語にとってかわられた感。

憲武●この人が最後なんじゃないですか。脚線美と謳われたのは。という訳で朱里エイコです。



憲武●作詞山上路夫、作曲都倉俊一です。タッタッって感じで終わりますね。いつも。カットアウトが多いんです。ベリーフェイマス都倉俊一エンディングですね。

天気●へぇ。

憲武●途中の「ウッ、アッー」て、ところがセクシー。椎名林檎もカヴァーしてます。

天気●そーなの。

憲武●この人、お父さんがオペラ歌手、お母さんがエド・サリヴァンショーに出演歴のある舞踏家兼振付師という環境も相俟ってか、16歳で単身渡米した実力派シンガーです。

天気●いわゆるサラブレッド?

憲武●そうとも言えるでしょうか。ぼくは朱里エイコを「北国行きで」で、初めて知ったんですけど、60年代初頭から活動してて、アニメ「アニマル1」の主題歌やレナウンイエイエのCMソングを歌ってた人だと知ったのは、ずっと後のことです。

天気●「北国行きで」なら、知ってる。

憲武●1975年に渡米した際に、タワー・オブ・パワーからの企画で、2曲ジョイント・レコーディングしてます。

天気●75年は、かまやつひろしが「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」でタワー・オブ・パワーを使ったのと同年ですね。





天気●おお、どっちもカッコいい。「愛のめざめ」は、タワー・オブ・パワー「Below Us, All The City Lights」を思わせる。

憲武●実力派でありながら、日本ではなかなかヒットに恵まれず、2004年に56歳で鬼籍に入られました。時代は朱里エイコに追いつけなかったんですね。


(最終回まで、あと979夜) 
(次回は西原天気の推薦曲)

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