2018-01-14

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 第33回 ディオンヌ・ワーウィック「恋よ、さようなら」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第33回 ディオンヌ・ワーウィック「恋よ、さようなら」



天気●生まれて初めて自分で買ったレコードって、いつまでも忘れずに憶えてるものですよね。私は、ディオンヌ・ワーウィックの「恋よ、さようなら」でした。

憲武●他のアーティストや、違うアレンジなどでよく耳にする曲ですね。



天気●バート・バカラック作曲、ハル・デイヴィッド作詞、1968年の作。中1か中2のときでした。ラジオでさかんに流れていて、で、意を決してレコード屋に入ったんですよね。

憲武●60年代後半から、70年代初頭にかけて、というのはバカラック全盛と言ってもいいんじゃないでしょうか。

天気●映画『明日に向って撃て!』(1969年)の劇中歌「雨にぬれても(Raindrops Keep Fallin' on My Head)」が日本でも大ヒットしました。ラジオから、これでもかってくらい流れていましたよ。

憲武●はい。「木枯し紋次郎」の最初のテレビシリーズ(1972年)は市川崑がシリーズ監修および演出で、音楽が小室等だったんですけど、市川崑は小室等に、「主題歌はバート・バカラック風に」と注文をつけて、出来上がったのが主題歌「誰かが風の中で」です。と、小室等の「音楽夜話」で聞きました。もうなんでもかんでもバカラック。

天気●「恋よ、さようなら」は軽快でちょっとペーソスがあって、曲もアレンジもバカラックらしい。ディオンヌ・ワーウィックは黒人歌手ですが、いわゆるソウルフルに歌い上げるのではなく、都会的で淡白、バカラックの曲によく合ってます。

憲武●ウォーク・オン・バイ 」「世界は愛を求めている」などでも聞かれる歌唱ですね。変な喩えかもしれませんが、演歌歌手が極力、小節を抑えて歌うような感じなんでしょうか。

天気●最初に買ったレコードがバカラック。それは、そのあと何十年も、自分の音楽趣味に強く反映したのかなあ、と。このあと、それこそ雑食的にじつにいろんな音楽を聴いていくわけですが、軽快で明るく、都会的に洒脱なものへの嗜好・選好はずっと変わりません。

憲武●僕の友人は最初買ったレコードが、スティービー・ワンダーで、その後いろいろ聴いていく訳ですけど、基本的にはソウルを嗜好してました。一枚目に何を買ったか、その後の影響大きいんですね。

天気●そういうケース、多いでしょうね。


(最終回まで、あと968夜) 
(次回は中嶋憲武の推薦曲)

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