2016-08-07

「夏休み納涼句会」運営顛末記 西原天気

「夏休み納涼句会」運営顛末記

西原天気

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68名様・204句。多数の参加をいただいたことに、まず感謝を申し上げます。

1 進行その他

たくさんの参加を見込んで兼題・投句数は「3」に絞りました。これ、正解。

選句のとりまとめは、まあまあタイヘンな作業になる。この手の作業は得意分野ですが(エクセル他、いくつかのアプリケーションを駆使)、ちょっと恐れをなして、選句要項で説明。

書式が統一されていると、作業(もっぱらコピペ)がラクなので、ていねいに説明したつもりでしたが(じつは、この選評の書式、昔から続いているメール句会、古くはファクス句会を踏襲したもの)、考えてみると、いろいろぐだぐだ部品を説明するよりも、例示(下のほうの三鬼句選評の例)のとおり、とお願いしたほうがわかりやすかった模様。今後の参考に。

結果、ほとんどのみなさんがほぼ完璧に書式を守っていただき、感謝感謝。

期待の書式どおりじゃなくても、こまかいところはこちらで直せばいいので、オッケーなのですが、ひとつだけ「選句要項を再読してね」と突き返しました。お年寄り(勝手に年齢を想像してすみません)がきちんと守ってくれているのに、若いあなたがこんなことじゃあどーする? といった小言を添えて。「再送します」と返ってきたのですが、〆切を過ぎても来ない。打診すると、「すんません! 送ったと思ってました!」と返信。orz。持ち味だなぁ。……イコマ、おまえだ。


2 席題のこと

あとで見ると、兼題が句に含まれていない句がありました。わお!

でも、気にしません。

題でつくって、推敲しているうちに、その題が消えてしまうってこと、ふだんの句会でもよくありますよね。


3 参加者のバラエティ

投句条件に「当季or無季」としたのは、いわゆる有季定型に親しんでいる方以外の参加を期待してのことでした。

結果、川柳作家の方も少なからず参加いただきました。ありがとうございます(すごくうれしかった)。

ただ、選句ということでいえば、川柳は不利。これだけいろいろな句が出揃った句会ですが、主催が「週刊俳句」ですから、どうしても「俳句」のほうへ意識が引っ張られる。そのあたりは申し訳なく感じています。

ただ、点数がいくつ入ったとかということは、句会の最優先事項でもないので。

一方、破調、自由律が少なかった(皆無?)のは、ちょっと残念。ふだん自由律俳句をものされている方が、週俳の近くにたくさんいらっしゃるはずなのですが。


4 句のバラエティ

これはもう、一目瞭然。ほんと、いろんな句が揃いました。200句前後、おんなじような句が並ぶと、苦痛なこともあるでしょうが、これなら飽きない(と、選句しなかった者が言うのもなんですが)。


5 選評の遅刻

選評が〆切を過ぎても来ないというケースも若干。「なにかトラブルがあったのでは?」と(心配症なのです)打診のメールを幾度か差し上げて、それでも返信がないので、選評を若干欠いたまま取りまとめて、記事リリースしました。あとから届いたら、その選評を追加いたします。


6 句の感想

相当の作業量が見込まれましたので、私は投句しないことにしました。けれども、今回の投句に何も言わないのももったいない。おもしろい句がたくさんありますし。

「投句しないで選句するなよ」とおっしゃる向きもあろうかと存じますが、これは選句ではなく、感想ということでご海容ください。

うたた寝の糸をたぐれば海へ出る  村田 篠

当番が最高点句、ですかあ。これは、運営としては避けたい事態ですが、しかたがない。篠さんも「ありゃりゃ」といったところでしょう。

うたた寝(昼寝)と糸は実感として繋がりがよく、虚の句として安定感。この句、海へと広がったところ、とても気持ちがいい。前半の俳句的処理のパッケージ感から、海で、一気に〈抜け〉がよくなりました。

雲が峰糸に吊られし科特隊  マリオ

特撮で糸を詠むのは既存と思うのですが、「科特隊」は微妙な襞をつきます。「雲が峰」で、リアルな空と作り物の空が同時に見えるような効果。

声糸井重里的な夏休  曽根主水

韻律上テクニカルな人名句。

電気つけて見るかぶとむしめんどくさい  加納燕

口吻が独特。

電柱に生まれて蟬を鳴かせけり  守屋明俊

電柱に〈なりきり〉句。愉快。

桃の皮雨は神話の中に降り  うさぎ

桃の皮の微細と神話の巨大。雨で質感がつながっています。

扇風機土地改良の話せむ  クズウジュンイチ

クーラー以前の日本景。

話しつつブラはずしゐるトマトかな  村嶋正浩

私事ですが、さいきん、こういう季語の持ってきかたを好いています。

ほかにも好きな句がたくさんありましたが、以上です。


7 次回

また、いつか。

同じような、兼題3題ほどの句会でもいいし、別の趣向を加えてもいいし。

そのときはよろしくお願い申し上げます。

2 コメント:

あまね さんのコメント...

天気様 この度は有難うございました。楽しみました。インターネット紙上での参加は初めてで、新しさは目指すだけの楽しみとなっているのが実感でした。また参加します。

ハードエッジ さんのコメント...

>あとで見ると、兼題が句に含まれていない句がありました。わお!

むむ、私だったでしょうか?

雷様の尻尾で、雷→電

というウケを狙ったのですが、
見事、場外に消えました、、、零点 (^_^;;;

天気様、参加の皆様、
沢山の句をありがとうございました